東南アジアのうみとらべる

東京を拠点にして、東南アジアのぶらぶらを記録します。

コラム ミニトリップ セコーン県

セコーン県






前回紹介しました、ラオンガーム郡のありますサラワン県からさらに南東方向に進んでいきますと南部4県の1つである、観光客がなかなか訪れることない「セコーン県」となります。

日本人の方が2名いらっしゃるということで、紹介していただき行くことができました。
(単独ではなかなかしんどうそうです涙)

セコンにあるもの?

事前にセコーンをググる&住んでいる方に少し伺ったのですが、

  • ラオス人憩いの場所の滝(各県におそらくあり)
  • パクソーンにあるZIPライン
  • UXO LAO
  • シンダート

滝はサラワン県でも紹介しましたように、ラオス人憩いの場所としてどこにでもあるものですので、滞在時間の制限と交通手段が貧弱でしたので今回はPASS。
ZIPラインはこんな感じのアクティビティです。

zip_line_laos
ZIPライン ラオスのいくつかの県で観光スポットとして開発されてます。
引用: http://aglasshalf-full.com/2012/11/07/responsible-tourism-making-a-difference/


今回は残る二つ「UXO LAO」と「シンダート」を紹介します。

UXO LAO


UXO LAO(英語)

さて、全く聞き馴れない単語かと思いますが、UXOとは「不発弾(UXO: Unexploded Ordinance)」のことです。
ラオスの負の部分としての1面であり、約40~50年前のベトナム戦争時のアメリカ軍が投下した不発弾が現在でも大量に埋まっております。

ベトナム戦争なのになぜラオス??? 


と思われる方も多いかと思いますが、ラオスベトナム戦争には深く関係があります。

ラオスの詳細な歴史に関してはこちらの書籍「ラオスを知るための60章 (エリアスタディーズ85) (エリア・スタディーズ)」を一度ご一読いただければかなり理解が深まるかと思います。

北ベトナム、現政権である北ベトナム主義共和国の南進していたゲリラ、
南ベトナム、米軍支援当時の南ベトナム共和国の首都サイゴン(現在のホーチミン)へと進軍しておりました。
南側支援のアメリカ軍は、このゲリラを壊滅すべく、おびただしい量の爆撃を行いました。この当時に使用されていたのが、現在でもよく議論される「クラスター爆弾」です。


uxomap_laos
不発弾埋蔵地点 南部のホーチミンルート部分は真っ赤。
(中央のカムアン県はラオス共産党の本部があり、共産化阻止の為爆撃されている)
引用: http://plainofjarsproject.com/tag/uxo-lao/

 

hochiming_trail
黄色部分がホーチミンルート
引用: http://en.wikipedia.org/wiki/Ho_Chi_Minh_trail#mediaviewer/File:HoCMT.png


北側のゲリラ軍は敵襲を避けながらホーチミンへと進軍するために、隣国であるラオス側にも「ホーチミンルート」として使用しました。ここが現在のセコーン県アッタプー県になります。
後に米軍の敗走によりサイゴンが陥落、終戦を迎えます。
しかし、その当時に落とされた爆弾は地中に埋まったまま....であり、危険地帯がそのままの状態になっております。
現在も未だ50万トン以上の不発弾が埋まっており、現在までの解除進捗は0.47%と一体何年かかるのでしょうか...

その不発弾の解除・処理を行っているのがUXO LAOとなります。
不発弾の埋蔵量がもっとも多い場所の一つである、このセコーン県UXO LAOの本部が設置されております。

日本からも金銭的、技術的支援を行なっております。
参考URL :
ラオスの不発弾除去に関する日米協力の実施(外務省)
日本地雷処理を支援する会「ラオス報告 58号」(JMAS)
特定非営利法人 テラ・ルネッサンス|ラオス事業(テラルネッサンス

あまり深い話になっても仕方のないのですがはっきり言って、処理ペースは遅く、人力での作業が今日でも続いている状況です。
なんとかテクノロジーなどで自動マッピングなんぞできんのかと嘆くばかりです。
農地にしたくても使用できない土地はまだまだたくさんあるようです。

シンダート

「何もないけどシンダートは一番!」と伺っていたので、食べに行きました。
シンダートはラオス風焼き肉のことで、韓国のプルコギに少しにていますでしょうか。
どこの町でもこの「シンダート」は食べられているのですが、前情報通りに抜群に美味しかったです。
 
shindat
豚が多いです

 

shindat_vegitable
野菜も一緒に出てきます

 

shindat_pan
お鍋はこんな感じ。中央部分でお肉を焼いて、縁部分で野菜を煮ます。
お出汁になってきますので、スープもごくごく飲みます。

セコーン県の限定??なのかはわかりませんが、ここでは「パー(魚)」も切り身も出てきます。他のところでは見たことがなく、しかもめちゃくちゃ美味しい!

ラオ人的には変な組み合わせ(?)なので、あまり食べないのでしょうか。
お出汁が出てとってもいい感じになります。

shindat_fish
セコーン限定??のパー(魚)!これは美味しかった!
(おそらくティラピア


shindat_zosui
最後はカオニャオ(もち米)を入れて雑炊にしました。
美味しかった〜!!
そして、野菜、肉、魚のエキスが存分にでたお出汁で最後は雑炊をしました。
現地在住の日本人の方が海苔を持っていらっしゃったので、海苔も散らして!(旨)
海外でここまで美味しい雑炊をいただけるとは思ってなかったので、嬉しさが倍増でした。
セコーンにお立ち寄りの際は必ずシンダートをお召し上がり下さい!

まとめ



talat_xekong
セコーンのタラート(市場)鳥屋
ちょっとアクセスが悪く、通常の観光では行きにくい場所ですが、ZIPラインをはじめ観光開発が進んできているエリアもあります。
また、瓢湖の高いところもあり避暑地としても注目されつつある「セコーン県」。
南部にお立ち寄りの際は足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
(またシンダートが食べたいです。)

 

ラオスにいったい何があるというんですか? (文春文庫)

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