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対中比較 ラオス事業投資

対中比較 ラオス事業投資

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ASEAN briefing にてラオスの投資の投資に関する情報がありましたので、少し紹介してみます。誤植や誤謬、誤訳などもある可能性を否定できませんので、英文版ページもあわせてご参照することをおすすめします。

出典:The Cost of Business in Laos Compared With China by Chris Devonshire Elis

ラオス以外にも、レポートが結構ありますので興味のある方はこちらのページ(ASEAN Briefing)は結構参考になるかと思います。

概要

ASEAN各国の対中比較での事業投資の第3弾は「ラオス」。
ASEAN加盟国の中で最小であるラオスASEAN国内で最後進国であり、国民の平均所得も最低。
広大な山地と農業を基盤とした経済は、戦略的に重要な中国とタイと国境を接し、中国南西部と文化的に近接する。
道路や鉄道インフラの改善により、製造コストを下げ、中国へと逆輸入させる目的での投資先として注目を集めている。

貿易



中国は、ラオス国内の水力発電事業にも出資している。中国(The Middle Kingdom)とタイは ラオスの貿易総取引量の70%近くを占め、2大貿易取引国となっている。 ラオスと中国の2国間の取引は過去2年間で2倍になっており、その金額は、約30億ドル(約3600億円)に達している。
中国はASEAN域内での影響力を保つために政治的にラオスに期待しており、その返礼として投資を得ている。
現在中国から行われている投資のうち、一般的なものは、国営企業によるインフラ事業と
小規模の貿易会社もしくは軽工業事業の設立にともなう設立である。
製造されたものは主に雲南省へと輸出される。

その他に、ラオスは以下の国々と貿易を行っている。

輸出
中国 35%
タイ 31%
インド 6.3%
日本 5.6%
イギリス 4.8%

 

輸入
タイ 48%
中国 25%
ベトナム 6.9%
韓国 4.2%
ドイツ 4.2%


製品別の内訳として

輸出品
精製銅 29%
銅鉱石 21%
荒木 6.2%
ノンニットスーツ 4.2%
材木 3.8%

 

輸入品
4.4%
飛行機・ヘリ・宇宙航空関連 4.0%
運送トラック 3.8%
精製石油 2.8%
鉄資材 2.4%

 

条約



現在、ラオスは各国との租税条約の拡大を目指しており、
中国、マレーシア、タイとは署名、締結に至っている。
その他の国との締結などはまだ時間がかかるように思われる。
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今年末にはASEAN AEC コンプライアンスへの批准が予定されている
ラオスが最終日までに批准ができるかの疑念がこの数期で出てきている。


ラオス外国資本投資に関連する法令



投資促進法第8条によると、外国人投資家は以下の3つの方法の投資が
選択可能である。

100%外国資本会社



国内の事業パートナーの参画なし一人または複数人による外国人投資家によって登記される外国投資。新たに登記された会社もしくは代表事務所の開設が可能である。

合弁会社(Joint Venture)


外国人による投資は、一人または複数人の外国人とラオス人によって、所有する合弁会社であること。
投資家は、林業などの特定の産業参加したい場合はこの方式での設立が必要となる、

契約事業(Business by contract)


外資会社は国内事業者とラオスの製品、物資を目的とした契約を締結する事が可能である

付則


投資家は行う事業の種類により政府機関よりいずれかの事業許可を得る必要が有る。

一般事業


産業商業省より営業許可の交付を受ける必要がある

コンセッション事業


計画投資省よりコンセッション許可の交付を受ける必要がある

特別経済地区、特定経済ゾーンにおける事業活動


政府内の特別経済地区、国家委員会事務局よりライセンスの交付を受ける必要がある。

まとめ


ラオスにおける貿易総量の約75%が中国とタイが握っている。
このことは、ラオスが中国、タイの2国両国でのビジネスチャンスを考える上で、
重要な国家あることを意味する。
このことに加えて、現在も取引量の増加が期待されるベトナムミャンマーも上記
の国に加わる可能性がある。
輸出面ではあまり価値のないインドですら増加傾向にある。
ラオスは小国かもしれないが、うまく組み合わすことで貿易のハブとなるかもしれない。

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